「Ｌａ Ｍｕｓｉｑｕｅ」６
「幸ちゃん、ワンシーンだけど僕の映画に出てよ」小津監督にそう誘われました。「お茶漬けの味」という映画です。
主な出演者は、佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、津島恵子、笠智衆、淡島千景十朱久雄、三宅邦子、柳永ニ郎、設楽幸嗣、望月優子、北原三枝
後に日活で大スターになり、裕次郎さんと結婚される北原三枝さんもこの頃はまだ無名でした。でもとても活発で印象的でした。
その頃は２本立てで２週間毎に新しい映画が封切られる映画の全盛期です。殆どの映画が１ヵ月位で撮影するのに、小津監督は、１年位かけて取ります。（松竹でそれが許されるのは小津さんと木下恵介監督だけだそうです）
新しいシーンに入る前に必ず本読みがあり、小津監督の言う通りの「間」とイントネーションで言わされます。撮影は午前中で１カット、カメラを低くローアングルに構えてじっくり撮って行きます。
